対ドルの円相場が28日に一時125円をつけました。これはおよそ6年半ぶりとなる水準になります。
ん?円安?自分の投資にとってはプラスなの?マイナスなの?そもそも何で為替って動いてるの?ここで一度おさらいしておきましょう。
1.為替の性質
あくまで一般論であり、常にこのように動くとは限りませんが、
市場のお金は金利の低い通貨から高い通貨へと移動します。
皆さんも低いことだけは知っている現在の銀行普通預金の金利(メガバンク=0.002%)、1年間銀行に100万円を預けると税引き前で20円利息がもらえるというやつですね。
もし円ではなくドルで預金してくれるなら金利2%にしますよ!と言われたらどうでしょうか。100万円相当預ければ税引き前で2万円利息がつくことになります。魅力的じゃないですか?
このように世界でも金利の低い通貨から高い通貨へとお金は絶えず流動しているんです。
2.金利の性質
では金利は何によって決まるのでしょうか。
それは各国の中央銀行の政策によるところが大きいです(日本では日銀ですね)。
どういう時に中央銀行は金利を上げ下げするのでしょうか。
国内の行き過ぎたインフレ、デフレを退治するためだとここではおぼえておきましょう。
例えば、インフレ=つまり物価が上がって、貨幣価値が下がってる時、は中央銀行は金利を上げて貨幣価値を上げようと頑張ります。
反対に、デフレ=つまり物価が下がり、貨幣価値が相対的に高くなった時、は金利を下げてバランスを取るんですね。
デフレはデフレスパイラルとか悪いことって学校で勉強したけど、インフレも悪いことなの?
一般的に適度なインフレは望ましいことです、日本も年2%の物価上昇を目標にしてますね。
物価があがる→それを作ってる企業が儲かる→企業で働く人の賃金があがる→消費が増える→物価があがる…の好循環を期待してるんですね。
ですが行き過ぎたインフレは逆に景気を冷やしかねません。例えば、想定以上に物価が上がりすぎてしまうと、消費者心理としては買い控えをしようと考えてしまいます。これだと景気がうまく循環しません。
このような事態を避けるため中央銀行は行き過ぎを、金利という武器でテコ入れすることで適温に調整しているのです。
金利を上げれば、理論上は貨幣価値が上がります。これで高騰した物価と貨幣価値をバランスさせているんですね。
まさにこれがいまアメリカで起きていることです。さらに運悪くロシアvsウクライナが勃発しました。
ロシアからの資源供給がストップされることで、世界的に瞬間的な資源不足が発生します。つまり流通する資源価格が高騰します。
当然、各資源から作られている私たちの身近な製品の価格(物価)も上昇してしまいます。
この窮地をアメリカの中央銀行であるFRBは政策金利の引き上げで乗り切ろうとしているのです。
3.ちなみに
ここまでで為替と金利には強い相関関係があることは整理できました。
実は株価と金利にも相関関係があるんです。
金利が上昇=株価は下落しやすい
金利が下落=株価は上昇しやすい
とおぼえておきましょう。
理由は様々ありますが、ひとつ例をあげると
金利が上がると、銀行からお金を借りづらくなりますよね。みんな金利が高い時よりも低い時に借金したいものです。
企業も同じなんですね。銀行からの借入を減らし設備投資を控えます。個人も住宅ローンを借りづらく家を買いません。
生産も消費も停滞するので当然株価は下落、というのがセオリーです。
では金利ってなにを見ればいいの?
S&P500などアメリカ株を買ってホールドされてる方は米10年債利回りをチェックしていればひとまずOKです。
金利動向から株価の大きなトレンドを掴め始めると、もう1段階投資が楽しくなります。
今日も一つ勉強できましたね!このブログでは投資の基礎的な知識を投資初心者〜中級者向けに発信しています。