はじめに
巷ではS&P500など優良なインデックスに連動するファンドを定期購入設定してあとは放置していればいい、
いわば”ほったらかし投資”が強く推奨されている風潮があります。
本屋の一角にも「寝ながらお金を増やしましょう」「知識がなくても・・・」「ほったらかしで⚪︎億円」といったタイトルの本をよく目にするようになった気がしませんか。
投資初心者にとっては取っつきやすく、手間もかからないことから確かにオススメできる点も大いにあると思います。
しかし投資を始めてしばらくすると、自身の証券口座上で日々増えたり減ったりしている「含み損益」を眺めているだけだと少し物足らなくなっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな皆さんに今回は選択肢の1つとして、わたし自身メインに行っている
”高配当株投資”というものを知って頂けたらと思います。
高配当株投資とは
明確な定義はありませんが、その名の通り市場平均に対し比較的高い配当利回りの銘柄への投資を指します。
配当とは何ぞや?という方、配当とは企業が生み出した利益の一部を株主に還元してくれるものです。
高配当株投資の魅力は以下3点挙げられます。
①定期的なキャッシュフローがある
②高配当銘柄には優良企業が多い
③株価暴落時もチャンス
それでは1つずつ見ていきましょう。
①定期的なキャッシュフローがある
高配当株は”配当”という目に見える形で定期的にあなたの証券口座にキャッシュをもたらしてくれる点が大きな魅力の一つです。
”お金がお金を生んでくれる”仕組みを身をもって理解することができます。
上述の通り巷で人気のインデックスファンドへの自動積立投資は、商品にもよりますが配当(または分配金)を出さないものを指すことが多く、将来積み立てた元本を売却する時にはじめて損益を確定することになります。言い換えれば、長い期間投資による成果を実感することなく、ただ淡々と積立を続けていかなくてはなりません。
定期的なキャッシュフローがあるというのは心理的に非常に安心感があり、日々成果を実感しながらコツコツと資産形成を続けていきたい方には付き合いやすい投資手法だと思います。
配当回数は銘柄によって4回/年、2回/年といったように様々ですが、年間に見込める配当収入がある程度予想できるため目標を立てやすいという点も”FIRE”を目指す投資家に好まれている理由です。
例)投資額1,000万円×配当利回り3%/年(税引後)=30万円/年
また心理的な面から、長期で付き合いやすい(途中離脱の可能性を下げる)というメリットもあります。
投資の世界では長期で市場に居座り続けたほうがよい成果に繋がりやすいことは皆さんもお分かりでしょう。
不況時など株価が下落局面でも、配当は比較的安定して支払われることが多い為、それが心理的なクッションとなり資産の投げ売りといったことを防止することに繋がります。
また定期的に入ってくる配当の使い道は自由です。
資産が生み出した収入として自分のために使ってもいいですし、さらに再投資に回すことで資産の最大化に努めるもよしです。
前者のように自分へのご褒美として不労所得を使うことは、さらに資産形成を頑張ろうと思える原動力になります。
対して後者のように、配当をさらに再投資し元本を大きくすることで次回の配当額をさらに大きくすることも可能です。
このように愚直に積立を繰り返し、元本を大きくしていけば雪だるま方式で将来の見入りが大きくなっていくことを目に見えて実感できるところが、私たち日本人の性格に向いている点だと思います。
賛否両論ありますが、私は3月、6月、9月、12月の年4回入ってくる配当金は極力使うようにしています。資産が生み出してくれたお金でケータイ代が払えた、行ってみたかったレストランで食事ができた、旅行に行けた、欲しいものが買えた…と経験を積むうちに、もっと投資元本を大きくし将来もらえる配当金額を大きくしようと心から思えるからです。これは投資を続けていく上で非常に励みになると私個人的には考えています。
②高配当銘柄には優良企業が多い
高配当銘柄には比較的優良企業が多いのも特徴の一つです。
そもそも配当とは企業が生み出した利益の一部を株主に還元するものであり、
安定して利益を生み出せている企業であるからこそ多くの配当を出すことができるのです。
本来企業は生み出した利益を更なる成長のため本業投資に回しますが、すでに成熟した企業は株主に配当として還元することで企業価値向上に努めます。
故に、配当を多く出せる企業≒成熟優良企業、となっているケースが多いというわけですね。
成熟優良企業は業界内で一定のブランドを確立しており、市場でのシェアも高いため、比較的株価は安定している傾向があります。これも安心して長期で付き合っていきやすい理由の一つです。
ただし中には利益が出ていないのに株価の下落を避けるため(投資家を引きつけておくため)、
無理をしてでも高配当を維持している企業もあるので注意が必要です。
また株価が下落してしまっている為、見かけ上の配当利回りが高くなっている銘柄もあるので合わせて注意が必要です。
そういった企業を見分ける為には、企業の表面業績を見ることに加え、配当性向や営業キャッシュフローなど他指標にも注目することが重要です。
そういった財務分析を1人で出来るか不安だという方は、”高配当株ETF”を買うことをオススメします。
難しく考えず高配当株をパックにしたものだと考えて頂ければ結構です。
中でも主に米国の高配当株をまとめた優良ファンド「VYM・HDV・SPYD」については、
高配当株投資家内で非常に人気があります。
上記のようなETFは1株1万円前後から購入することができ、あなたも手間をかけずに高配当株投資が始められます。
③株価暴落時もチャンス?
これについては高配当株投資に限らずですが、株価が暴落した際も投資家にとってはチャンスです。
株価が下がる=多くの株数が買える。
例えば毎月10万円積立投資しいているケースで考えます。
株価が1万円の時は、10株を買うことができます。
株価が9000円まで下落しました、そうすると11株買うことができます。
同じ理屈で株価が下がれば下がる分、同じ金額を投資するとしてもより多くの株数が買えるということが分かります。
このように株価下落時も、積極的に買い向かうことで、将来株価上昇局面でのブーストになるわけですね。
また、高配当株投資投資家にとってはもう一つ嬉しいことがあります。
それは配当利回りを上げることができるという点です。
配当利回り=年間配当額 ÷ 株価
配当利回りは上記式で求めることができます。
通常配当利回りは3〜4%ほどあれば高配当と言われますが、中には米国石油メジャーのエクソンモービルやタバコ事業のアルトリアグループなど株価次第では5%を超える銘柄もあります。
あえて株価次第でと述べましたが、上記式を再度ご覧頂ければ理屈は理解しやすいと思います。
年間配当額というのは簡単に下げることはできません。これを”減配“と言うのですが、減配は投資妙味の減少を意味し、株主の流出=株価下落に繋がりやすいため企業は必死に前年度の配当額を維持または逆に増配しようとします。
こうした意識は特に米国銘柄に強く存在します。米国では配当を維持できる、または増配していける企業こそ良い企業という考え方が日本よりも強く、逆を言えば減配を発表すれば株価にマイナス影響が出やすい市場と言えます。
ちなみに、毎年”増配“を続ける連続増配銘柄も圧倒的に米国の方が多いです。一般的に連続増配年数が25年を超える銘柄を”配当貴族”、50年を超えるものを”配当王”と呼びますが、日本には配当貴族は「花王」•「リコーリース」の2銘柄、配当王は存在しません。一方で米国では、配当貴族は109銘柄、配当王は29銘柄も存在します。ここからも配当への意識が強いことが伺えますね。
米国の高配当株ETFをオススメしているのにはこうした理由もあります。
話が少し脱線しましたが、上記計算式の分子である年間配当額は変動せず、分母の株価が下落すれば自ずと配当利回りは高くなりますね。
このように株価が値上がれば含み益が増えてハッピー!株価が下落時も株数買い増しのチャンスなのでハッピー!といかなる相場でも平常心を保ちやすい投資手法だと個人的に感じています。
おわりに
ここまで高配当株投資とりわけ高配当株ETFをオススメしてきましたが、少しはご興味を持って頂けたでしょうか。
一度金融資産からキャッシュフローが生まれる体験をすれば、その後の投資への考え方がきっと広がるはずです。
一緒に楽しく資産形成を頑張っていきましょう!!